第362章競争によって与えられる報酬

「ロウ先生、何かありましたか?」

エミリーは、どこか心許ない声で電話に出た。

前の人生ではすでに卒業していたうえに、今の人生では目の回る忙しさだったせいで、自分がまだ学生であることをほとんど忘れかけていた。

提出していた研究成果や論文が、最近の欠席の埋め合わせには十分なはずだ。とはいえ、学校のことを忘れ続け、一本の電話すら入れないのは、さすがに不適切だった。

カートには、その声色に滲む負い目が聞き取れた。

「よくもまあ『何か』なんて聞けたものね。……でも、罪悪感はあるのね。まだ学生だって忘れたの? たまたま見かけたのよ、あなた、何かの自動車レースに出ていたでしょう。あなたみたいな頭の...

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